「ちょこざいなっ!」

お酒を飲みながら日々の雑感をダラダラとつづるブログ

酒を呑むこと

先日、松江のとってもステキなフレンチを紹介していただいた。

Google Mapを頼りに店に向かうも一度通り過ぎる。

"目立たない"のは確かだ。

ようやく看板を見つけ、そのすぐ左隣にある会談を駆け上る。

重厚感があり開けにくいドアが目の前にある。

一度手をかけてしまえばいとも簡単に開きそうなその扉は

とても重く見えた。

「でも、あの人の紹介だし」

と勇気を振り絞り、えいやー!!と開くと、

そこは楽園だった。

 

 

 

とは後に気づくことになる。

 

 

 

店には数人の客。

落ち着いた中年のご夫婦。

そして30前後に見える男性客。

どちらもカウンターに座っていた。

 

 

私は一人なので迷わずカウンターに座る。

 

 

一杯目はどうしようかと考えていると

「このビールがおすすめですよ」

と安くはないビールを勧めてくる。

抗うすべもなく

「ではそれで」

と応じる。

 

 

ビールが出される。

確かに、うまい。

 

 

その後何を食べようかと思案していると、

「前菜の盛り合わせでも出しましょうか?」

と店主さんが申し出てくれる。

お昼が遅く先ほど食べたばかり。

これは渡りに船と

「それでお願いします」

と返答する。

 

 

ワンプレートに3品ばかし乗ったものであるが

どれもきっちり仕事がなされていて

とても美味しかった。

付け合せとして盛られているピクルスでさえ美味しいのだ。

他のものがマズいわけがない。

そうとうの満足度で食べ続ける。

 

店主さんが不意に

「よく飲みに出るのですか?」

と尋ねる。

私は

「家で自分でつまみを作って飲むほうが満足度が高くて」

と恥じらうこともなく述べる。

その後店主さんが、

「飲食店は家庭で食べられないようなものを出さないと意味がないですよね」

と言ってにこやかに微笑む。

 

 

その通りだと思う。

家で食べれるようなものを食べて感動する人などいるものか。

という作り手の矜持を感じた。確かに。

 

 

その数日後、鳥取で素晴らしい包丁を作っておられる鍛冶屋さんの

代理店(店主さんとは仲良し)に立ち寄った。

いつかはその鍛冶屋で包丁を作ろうと思っていたが、

話していた流れとやはり松江のことが頭に浮かんで

その時に注文することを決意した。

悔いは、ない。

完全オーダーメイドなので注文から完成まで約半年かかるが

自分の手の大きさや握力を計算して作ってくれる

『世界に一つだけの包丁』を

格安とも言える金額で作れることに幸せを感じた。

 

 

 

さて、今日である。

松江では家では食べられない料理に舌鼓を打った。

倉吉では前々から見初めていた包丁の購入を決意した。

しかし。

しかしである。

自分は果たしてその包丁を持つにふさわしいのか。

これまであまりに怠惰な生活を送ってきてはいやしないか。

適当に酒を飲んできてはいやしないか。

 

という後ろめたい気持ちもあり、

本日盛大に4品も作る次第である。

美味しく酒を飲みたいといいつつも

結局は世間体を繕いたいという部分が

大半を占めるだろうと思いつつ、

それでもいたたまれなく

おずおずとつまみを作っては酒を呑むのがメインだと

言い張るのである。

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