食と農のリテラシーブログ

主に農業のことを書いていきます

花卉農家の営農計画

ずいぶん時間が経ってしまいました。

前回東京で友人と会った時のこと。

「花卉農家になろうと思うねん」

と言われて大層驚きました。

これまで農業=食料生産として捉えていたので

花卉はまったく頭になかったんです。

(余談やけど食用菊はどっちに含まれるんやろうか)

 

花卉農家の営農モデルなんて考えたことなかったし

調べてもないわけですが

ここで勝手にダラダラと書き連ねながら考えてみようと思います。

 

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売り先・売上目標・必要面積 

花卉農家であっても野菜農家であっても

卸先は”JA”か”それ以外”に分かれます。

仮に売上目標が600万円だとした場合

菊のみで稼ごうとした場合卸売価格が50円/本なので、

野菜並みにぬかれるとしたら入ってくるのは8割=40円/本。

年間15万本の生産が必要だということになります。

年間何ローテできるかわからんけどどれくらいの面積でできるもんなんやろう。

季節無視しては作れるんやろうけど。

菊の場合は1反(100m×10m)あたり31,000本。

ということは1反を5回転すれば600万には到達する。はず。

生育にかかる日数が約3~4ヶ月。

ということは1反じゃたりない。

夫婦でやるとしても菊を1反回し続けるのは現実的じゃないと思う(たぶん)。

のとどの作物も手がかかる時期は決まってるので

何種類かをローテーションするのが最善でしょう。

http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001062146

(ただ、花卉は本当に見たことも経験したこともないのでなんとも言えないんですよね。それが問題。)

 

花卉農家特権?ボーナス

という話をしてると

つい先日鳥取で花の栽培をしている人にお会いして

お話を聞く機会に恵まれました。

曰く、お盆・お彼岸は値があがると。

しかも直売所でもそこそこ売れるとのこと。

特にお彼岸は菊が作りにくい時期ということもありライバルが少ないと。

農協出荷の場合、卸値50円の手数料なので40円/本程度の売上ですが

直売所の場合、売価100円程度の手数料(15%程)なので85円/本に跳ね上がります。

1本あたり倍半分。

ここは十分狙う価値があります。

というか花専業でしかも鳥取でやるならここは狙うべきでしょう。

高単価でがっぽりです。言い方やらしいけど。

仮にお盆と彼岸(春・秋の2回)の平均価格=90円/本だとして、

1万本ずつ出荷するとなると必要面積は約3畝(=30m×10m)。

80円/回×3回=240万円の売上になります。大きい。

リスクとしては春のお彼岸の作り難さと

定量的なデータは出てないと思うんですけど、

「彼岸・盆離れ」みたいなのはあると思うので

(正月でさえなおざりになってるので深刻だとは思う)

安定した出荷先として10年後も見据えられるかという部分はあると思います。

(最近揺れ戻し的な傾向が強く出てる気がするので大丈夫だとは思うのですが

勝手なこと言えないしリスクなのは確かだと思うのでとりあえず書いてみました。)

 

やっぱり欲しい安定収入

十分な技術を身に着けた上で、

ハウスなんかも立てちゃったりして天候に関するリスクを排除した上でも

『社会的変化』というどうしようもないリスクは付き物です。ほんとどうしようもない。

となれば、絶対的に計算できる定期的な収入があるにこしたことないと思うんです。

で、花卉農家で考え得る定期収入って何かなーってない頭ひねって出てきたのが

アレンジメントフラワーの定期配送

もしくは

栽培中の花卉を利用したお花の教室的なサムシング。

 

基本的に花には開花時期があります。

多いのは、冬の寒さを超えて咲く春咲きの花と、

夏の暑さを超えて咲く秋咲きの花です。

必然的に春と秋が多くなりますが

夏は夏で、冬は冬で、美しい花があるはずです(後で調べます。笑)。

自家栽培の花を使用した季節物の花のアレンジメント教室とか

「アレンジメントはめんどくさいけど家に花は飾っておきたい」

という人たちのための2週間に1回程度のアレンジメントフラワーお届けサービス

なんかはそれなりに需要ある気はしてます(市場調査してないけど)。

あと、こういう「目に見える顧客」は作り手にとってもポジティブな影響を与えるはずで、

そういう意味でも少なからず直接エンドユーザーとつながるのはアリなのかと思います。

 

最後に

圃場の面積も設備も割ける労働力もなにも考慮しなければこんなもんかなーと。

一つ一つがカチッと決まってくればもっと計算のしようがあるんだろうと思います。

(その時のために線形計画をしっかり使えるようになっとこうと思っているのは内緒)

 

もっと厳格に緻密な数字出そうと思ったけど

お盆とお彼岸で儲けられるって聞いて一気に雑になってしまった感は否めません。

まとめると、

花卉農家は狙った日に狙い通りの開花状況にもっていくそうとう精緻な技術が必要ですね。

ということ。

クリスマスを過ぎたイチゴが暴落するように

菊もお彼岸・お盆をすぎると無用の長物。

仮に結婚式場等とタッグ組もうと思うとそうとうハードルがあがります。

ほんと大変。

ただ、その分旨味もあるのかなーと思いました。

結局は、分からない。なんですけどね。

 

良い頭の体操になりました。

これまで考えたことがない分野だったので色々甘い部分はあると思います。

各方面からのご指摘、突っ込み、お待ちしております。

ほんとにわからない分野なのでかなり素っ頓狂なこと書いてると思います。

「お前ぜんぜん分かってねーよ!」

みたいなお叱りもお待ちしております。