食と農のリテラシーブログ

主に農業のことを書いていきます

雑食動物のジレンマ

過去ブログに好きな本の書評を載っけてたのを発見したので

こっちにも転載しておこうと思います。

 

 

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雑食動物のジレンマ ー ある4つの食事の自然史

 

雑食動物のジレンマ 上──ある4つの食事の自然史

雑食動物のジレンマ 上──ある4つの食事の自然史

 
雑食動物のジレンマ 下──ある4つの食事の自然史

雑食動物のジレンマ 下──ある4つの食事の自然史

 

 

 

題名はアメリカでベストセラーになった本のタイトルです。

 

興味ある方はぜひお手にしてみてください。

 

別にその出版社の回し者ではありません。

 

 

 

 

雑食とは、

 

大好きな国語辞典で調べると

 

「植物性のものも動物性のものも食べること」

 

とあります。

 

肉食動物と草食動物の

 

両方の利点を取り込んだ

 

そんな感じですね。

 

生物学的な成り立ちに関しては

 

明るくないので、

 

細かい部分に関するツッコミはご容赦いただきたいです。

 

 

 

私達人間はまがいもなく雑食動物です。

 

草食性のものも動物性のものも食べることができます。

 

ベジタリアンの人であったとしても、

 

動物性のものを食べることができる。

 

という人間に本来備わった素質は変わりがありません。

 

 

 

雑食動物は、

 

雑食動物になることによって

 

様々な環境に適応できるように、

 

生存確率をあげるように、

 

進化してきたものだと考えられると思います。

 

 

 

ただ、雑食動物には難点があった。

 

どれが食べることが”できる”もので、

 

どれがたべることの”できない”ものなのか、

 

見分けがつかない。

 

例えば、

 

今私達は平気な顔できのこ類を食べてますが、

 

きのこ類の中には猛毒のものも多々あります。

 

今私達が平気な顔で、

 

しめじや、しいたけや、えのき、えりんぎ、まいたけ

 

なんかを食べることができるのは、

 

先人たちが身を持って

 

「この食品は安全である」

 

ということを示してきたからに他なりません。

 

ちなみに単独でキノコ狩りに行ってもらえればわかると思いますが、

 

どのきのこが安全で、どのきのこが危険か。

 

という判別は、

 

初めてではなかなかできないものです。

 

 

 

そんな経歴を積み重ねてきた人類ですが、

 

どれが自分にとって"食べることができるもの"で、

 

どれが自分にとって"食べることができないもの"か

 

という葛藤は常にあったわけです。

 

それが雑食動物特有のジレンマと言えるでしょう。

 

例えばパンダなんかは、

 

笹の葉しか食べないので(実はパンダは笹の葉を消化できないらしいですが)、

 

笹の葉を見つけるやいなや、

 

笹の葉を食べることができるでしょう。

 

 

人間はぱっと見では、

 

何を食べることができるか

 

という判別ができません。

 

食べることができるものが増えた分、

 

"食べることのできる食材はなんなのか"

 

という問いが増えたことが

 

雑食動物のジレンマと言えるでしょう。

 

しかしながら人間は、

 

その豊かな知性を持って、

 

納豆やナマコ、果ては苛性ソーダを使うこんにゃくまで

 

食用とすることが可能となりました。

 

これはまさに雑食動物のジレンマを克服したと言っても過言ではないでしょう。

 

そうやって人間は、

 

何百年も、何千年も食に関する知性を蓄えてきました。

 

 

 

しかしなら人は、

 

近現代に入って新たな段階へと踏み入れることになります。

 

食品添加物、化成肥料、農薬、F1、雄性不稔、放射能等々

 

利便性を求めて様々な物を作り出したのはいいのですが、

 

それが"現在における科学的"に安全だと言われるものであっても、

 

"後の科学"によって否定されるものも多分に含んでいるものもあり、

 

"不安"をあげればキリがありません。

 

雑食動物のジレンマは終わったはずなのに、

 

新たな不安と向き合わなければいけなくなったわけです。

 

 

 

添加物は、ある一つの種類だけをテストしたものであって、

 

2種類以上の物をテストした際にどうなるかは保証していません。

 

ゆえに単体で摂取した場合は保証されますが、

 

複合的に摂取した場合にどうなるかは知るよしもありません。

 

ちなみにフリルフラマイドのように、

 

以前は認可されていたにも関わらず、

 

発ガン性が指摘され取り消しになったものもあります。

 

また、化成肥料、農薬に関しては栄養素減少の要因だと

 

やり玉にあげられていますし、

 

これまで安定的な生産をほこる要であったF1品種も

 

人体にとってあまりよくないのではないかと言われているのが現状です。

 

お肉もどんな飼育をされどのように屠殺されているかは、

 

ブラックボックスになっており(屠殺なんかは見学いけますが)、

 

つまり、自分にどのような影響があるのかわからないわけです。

 

 

 

 

様々なことを"気にしだした"場合、

 

スーパーでさえまともに買い物ができなくなる。

 

加工食品はもちろんのこと、

 

肉、魚、野菜、果物を含めた生鮮食品でさえ、

 

不安に感じてしまうこともある。

 

 

 

"何を食べればいいのか"

 

雑食動物は自分たちが作り出したものによって

 

新たなジレンマにぶつかったわけです。

 

 

 

野菜や果物でさえ、

 

"どのように育てられたか"

 

が分からない中、

 

加工食品はかなり不安な存在だと言えるでしょう。

 

どんな原料を使っているのか。

 

その原料はどの様に作られたのか。

 

製品を作るためにどのような添加物を使用してるのか。

 

食品表示ではわからない部分が沢山あります。

 

 

 

例えばベーコンに関して言えば、

 

元となる豚肉はアメリカ産が多いと思いますが、

 

彼ら(ブタちゃんたち)はここでは書き記せないほど、

 

想像を絶する用な劣悪な環境で育てられ、

(詳細が知りたければ個別にお教えします)

 

加工の際に添加されてることの多い

 

「発色剤」として、

 

亜硝酸ナトリウム硝酸ナトリウム硝酸カリウム

 

等々その他様々な物が添加されて

 

販売されるわけです。

 

ベーコンなんて

 

豚肉と塩と香辛料、

 

さらに言えばスモークする際のチップがあれば

 

完成するにも関わらず。

 

 

 

 

現代社会がこれまで生み出してきた

 

【利便性】は、

 

沢山の人に恩恵をもたらしたと思いますが

 

その一方で様々なことをないがしろにしてきました。

 

 

 

今現在食べてるもの。

 

さらに言えば今触れているものでさえ、

 

基本的には自然由来のもので、

 

それなしには生きていくことができない。

 

というのが事実であり現実です。

 

 

 

その部分に関して

 

配慮できる社会、製品が、

 

広がっていってもいいんじゃないかなーと。

 

そんな世界であればいいなーと思う毎日です。

 

 

 

 

"食"とは、生命を維持するために必要不可欠なものであるため、

 

・すぐそばにある

 

・簡単に手に入る

 

ことが必須条件だと思いますが、

 

そうなっていない現在に

 

危機感及び憂いを感じるのは自分だけではないでしょう。

 

食べることに関して知識を要するということは、

 

とても悲しいことであるとも言えます。

 

これから先十数年は必要とされる知識ではあるでしょうが、

 

その先、

 

【食べること】

 

自体が、特段知識も必要とせず、

 

当たり前に行われる社会が訪れればいいなー。

 

と思います。

 

 

 

 

食べることとは生きることである。

 

 

 

 

若干20年そこそこの経験から得た気づきです。

 

自分たちの代、さらに下の代にが、

 

よりよいものであることを願って。

 

2013年11月。

 

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最後はえらく感傷的だけど

この時期の自分っぽくて好きです。