日本農業の問題
と題した5年前のメモ書きを見つけました。
同じ大学で教育学を専攻していた友人に
「日本の農業の問題点ってなんですか?」
と聞かれてその当時必死に考えメールで返信したものの下書きです。確か。
ちょっとおもしろかったので少しだけ体裁を整えて載っけようと思います。
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日本農業の問題
日本農業の問題は『儲からない』に尽きます。
耕作放棄地、後継者不足など様々な問題がメディアから取り沙汰されますが、全て『儲からない』の一点に収斂します。
儲かるってドカンと一発数億あてるとかそういうのじゃなくて、生活するのも大変。とかそういうことです。
『稼げない』の方がしっくりくるかもしれません。
確かにドカンと儲けている人もいますが、そういう一部の人は除いて話をすすめていきます。
日本の農地の特徴
日本農業がなぜ儲からないかを知るためには、まず日本の農地の特徴を知ってもらう必要があります。それは、
- 零細
- 分散
- 錯圃
の3点に集約されます。
小さく(=零細)、そこかしこに散らばっており(=分散)、他人と自分の圃場(=農地)が混じりあって(=錯圃)いるということです。
こうなった原因は戦後の農地改革が関係しているのですが、本論から逸れるので割愛します。
こういう状態なので非常に効率が悪い。
圃場が小さいから機械は導入しにくく、点在しているため移動に時間を取られる…。
それでも昔はみんなそこそこにやっていました。
その背景にはある法律が大きく関わっています。
食糧管理法とその廃止
食糧管理法(通称:食管法)は第二次世界大戦中に米の安定供給を目的として作られた法律です。
政府が一定の価格で米を買い取りそれを流通させるというものです。
食管法は1942年に制定され1995年に廃止されるまで効力を持ち続けたわけですが、その間に不足していた米は余りはじめ、よって市場価格は下落の一途をたどり、ついには政府による米の買取価格と販売価格が逆転します。
食管法があった時代は、とりあえず赤字になる心配がないため市場価格が下がっても安心して米を作り続けられました。
しかし、それが廃止となると政府が米を買い取ってくれなくなるため、市場価格にもろに影響をうけるようになります。
そうすると、米を作ってもほとんど利益が出なかったり赤字になったりするようになり、作る意欲がわかないという人が多く出てくることとなります。
"経営者"の不在
農家は生産と同時に経営も求められますが、米にしても野菜にしても農協に任せておけばある程度の値段がついたため、経営者というよりはむしろ生産者としての性格を色濃くしてきました。
食管法廃止以後は米を含め野菜や果物も自由な売買ができるようになりますが、他業種に比べ経営的観念が低かったため、有効な手立てはうてず、大手小売業の勃興の前にズルズルと市場価格の引き下げを許すこととなります。
また、日本農地の特徴である土地の零細・分散性により、効率的な生産活動ができず生産費(生産にかかる費用)を引き下げることができなかったこともあいまって、結果儲からなくなった。
というのがざっっっっっっっっっくりとした概要です。
ーーーーーーーー(ココマデ)ーーーーーーーー
書き始めた時は『2時間位で書き終わるかなー』なんて思ってたら意外と時間かかって吐きそうでした(比喩です)。
各方面からの多様なツッコミをお待ちしておりますが、農業に関してあれも書きたいこれも書きたいみたいなのが出てきたので思いつくままに色々書いていこうと思います。